こんにちは、Shoyoです。
前回は「質問するメリット」をお伝えした。
今回はその続編として、「質問をするためには考え続けることが必要だ」と説得力を持ってお伝えする。 単に「考えろ」と抽象的に語るだけでは意味が薄れるため、今回は、具体的なアプローチ方法や、意識すべきポイントを紹介し、誰もが自然と深く考え、効果的な質問を行えるようになるためのヒントを紹介する。
1. 質問力を高めるアプローチ方法
1.1 「なぜ?」を3回唱える
よく知られる「5 Whys(なぜを5回問う)」の手法をアレンジし、まずは「なぜ?」を3回繰り返してみましょう。たとえば、ある現象や事象が起きた場合、
- なぜこの現象が発生したのか?
- なぜその原因が生じたのか?
- なぜその背景や根本的な理由があるのか?
と自分に問いかけることで、表面的な理由だけでなく、もっと根本的な問題や仕組みに気づくことができる。これにより、自分の理解がより深まり、次に質問する際の切り口も明確になる。
1.2 問題を分解し、細部に焦点を当てる
物事を「全体」と「部分」に分けて考える方法になる。大きなテーマをそのまま捉えるのではなく、関連する要素やプロセスに分解して、それぞれについて「なぜこの要素は必要なのか?」、「なぜこのプロセスで行うのか?」と問いかけてみる。たとえば、プロジェクトがうまく進まない原因を探るとき、全体の流れに対して各工程の役割や目的をひとつひとつに焦点を当てることで、問題の核心を掴みやすくなる。
1.3 仮説を立てた上での検証
考え続けるためには、自分なりの仮説を立て、その仮説に対して「本当にそうなのか?」「ほかの可能性はないのか?」と検証するプロセスが重要である。この方法は、単なる受動的な疑問ではなく、積極的に解決策を模索する姿勢を促す。仮説の立案には、自分の知識や経験をもとにして、その場で考えたことを一度紙やメモに書き出してみると、頭の中が整理され、次の質問の糸口が見えてくる。
1.4 逆から考える
普段とは逆の視点から物事を捉える「逆転思考」も効果的だ。通常、物事は「こうあるべき」という前提で考えがちだが、あえて「もし逆のことが起こったら?」と逆説的な視点で考えることで、新たな切り口や気づきを得ることができる。逆転することにより、自らの固定観念を打破し、質問の幅を大きく広げることができる。
2. 日常で意識すべきこと
2.1 日常的に「なぜ?」を口にする習慣
まずは、普段の生活の中で常に「なぜ?」と自分に問いかける習慣を持つことが大切である。たとえば、ニュース記事やテレビの報道、日常会話の中で気になった点に対して、その背景や理由を即座に疑問視し、メモを取る習慣を身につけましょう。スマートフォンのメモ帳や日記アプリを活用して、「なぜこの出来事は起こったのか?」「なぜその意見が出たのか?」など記録することで、振り返ったときに自分の考えのパターンや改善点が見えてくる。
2.2 自問自答する
日常生活の中で、意識的に自問自答の時間を設けることも効果的だ。仕事の合間や勉強の休憩時間に、静かな環境で自分自身と向き合い、今抱えている疑問や課題についてじっくり考える時間を作りましょう。考えながら紙にアイデアを書き出すことで、論点を整理し、次にどう質問すれば良いかの道筋が明確になる。
2.3 継続的な学びと情報収集
良い質問を行うためには、常に新しい知識や情報を吸収する努力が必要だ。書籍・論文・専門ブログなどを通じて、自分の興味関心分野だけでなく、関連する他の分野にも触れることが大切である。知識が増えるほど、異なる観点から物事を考える力が養われ、質問の質も高まる。また、さまざまな専門家の意見や事例に触れることで、自分自身が気づかなかった疑問点に気付くことができるでしょう。
質問するために考え抜くことは、一朝一夕で身につくものではない。先述の具体的なアプローチ方法―「なぜ?」を3回唱える、問題を分解する、仮説検証、逆転思考―や、日常生活における自問自答、そして継続的な情報収集など、それぞれの方法を地道に継続することが大切である。これらのトレーニングを通して、あなたの思考力は確実に深まり、より鋭い質問をする力が養われるだろう。
【今日のススミ】私自身もかつては「いい質問をしなければ」と思い詰め、結局何も聞けずに終わることがあった。 しかし、まずは素朴な疑問を拾い上げ、愚直に深く考え抜くプロセスこそが、 次の的確な質問を生む基盤になると気づきはじめた。 今回ご紹介した手法を繰り返し実践し、焦らず質問力を磨いていきましょう。
コメント